
紋様に関しては
以前にもお話ししましたが
今回はデザインに関してさらに。
この下の紋様は「糸菊つなぎ」なんですが
よーくよーく見てください。
ラインが
縦 横 斜め
の繰り返しなのがわかりますよね。
次にこちらのデザイン。
玉市松。これも
縦、横の繰り返しです。
江戸切子の紋様は
「まっすぐなライン」の繰り返しが多い
というのがわかります。
それはなぜか。
答えはグラインダーというこの道具が
まっすぐのラインを引くための道具であるからです。
回転している円の道具は直線ラインを引く道具であるのです。
江戸切子のデザインには
限界がある…と思っていたのですが
下のデザインを見てください。
「米つなぎ」はまっすぐかといえば、
直線ではなく
ふっくらラインです。
この下のデザインも見てください。
かなり大胆な曲線ラインが使われています。
これらは華硝で作った紋様・デザインですが
グラインダーという道具の限界を超えて生み出した技があってできたものです。
伝統を超えたデザイン
ということになります。
うちの作品のデザインは
デザイナーなし
自分で全部職人さんがデザインなのですが
それは
技の限界を超えないと新しいデザインが見えないから
と考えているからです。
よく職人さんが
デザインに関して自信なくデザイナーさんがいないとだめなんだ
と自虐的になっているのを見かけますが
私はもっと
作り手さんが自信を持ってほしいと思ってます。
事件は会議室じゃない現場で起きてるんだ
とは某有名な刑事さんの言葉ですが
本当にその通りだと私も思っています。
技から生まれるデザイン
大事にしたいです。