自分の理想を追い求めて
父が創業した工房(熊倉硝子工芸)では、創業以来ずっと下請け工房として江戸切子を作っていました。
作っていた江戸切子は、すべて決められたデザインの“商品”でした。
父は腕は良かったのでたくさんの注文がありましたが、
そのような環境下では、職人としての独自のアイデアがあったとしても実現するのは難しいことでした。
父が急逝し家業を完全に引き継ぐことになった時、私は大きな選択を迫られることになります。
それは、下請けとしての道を歩み続けるか、自分の理想を追求した江戸切子の“作品”作りのための道を切り開いていくかという、
今後を決める大きな選択でした。
結果として、私は自分の理想の作品作りの道を選び、現在の「江戸切子の店 華硝」が生まれました。
その際には、現社長である熊倉節子(妻)が販売を担当してくれることも心強い後押しになりました。
自分たちで作り、自分たちで売るという独自のスタイルを実現することができたからです。