そもそも図工の成績は?
2020年6月11日
職人さん志望の動機ベスト3
1 手先が器用だから
2 幼いころからものづくりに興味を持っていたから
3 生涯の仕事として一生やっていきたいから
のうち、どれか一つが必ず志望理由に書いてあります。
職人さんといえば手仕事、一生の仕事、というイメージなんでしょうね。
熟練になるまでは時間がかかるというのはたしかに本当でありますし。
が、そもそも「器用か」ということになってくると、
これって完全に主観の世界で
器用というのは何をもって器用というのだろうか、といえば、
手仕事を早くきれいにこなせること
だと思っています。
ひとつのものを超大作をつくるために、何十時間もこなすことができます!
というのは、
職人としての器用
ではなく
趣味としての器用なのかなと。
職人の器用というのは、
仕事としてスピーディーに美しく何かをつくる能力
となると、
学校生活で計測された
図工の成績が5だから、器用、ということにはならないと思ってます。
だって、うちの2代目、3代目、
図工 2 だから。
逆も真なりで
スクールに入ってくる生徒さんが使う言葉に
1 器用じゃないから
2 不器用だから
3 何かをつくった経験はないから
だけど、できますか?できるようになりますか?
と質問をいただくのですが、
すべて、「関係ありません」と答えます。
江戸切子をつくるうえの
器用
は、実生活での器用ではないし、
そもそも、自分の生きてきた経験の中に
江戸切子をつくる
なんて機会はないのだから、
できるんだか、できないんだかわからないというのが正解です。
何がいいたいのかといえば、
器用だろうと不器用だろうと
自分の経験で決めなくてもいいし、他人からのレッテルで決めることもないし、
自分が江戸切子というものとどう関わりたいか
だけなのだと思います。
職人であることというのは
そもそも自分で限界を決めない資質が必要だから、
自分が何かできるより
何をしてみたいか、ってことしかないかもしれません。
ということで次回は
江戸切子職人にとっての早く美しくとは、
について考えます。