Vol.2 高級シャンパングラスといえば「黒」
2016年1月21日
前回の沖縄に続き、今回もまた同じ日本からで、沖縄よりもさらに近いところになりまして東京の江戸川区の田島硝子さんとのガラスコラボになります。
弊社の作品は田島硝子制作の江戸硝子を用いておりますので、もともとコラボといえば、
コラボ作品なのですが、今回は田島硝子さんの独自の技術開発により生み出された「黒」
の素材での商品開発チャレンジとなりました。
江戸切子の伝統色は赤青紫の3色で、この3色でもカットの難易度が高いのが「青」になります。
というのは、カットの際に用いるグラインダーがもともとの色が濃い目だととても見にくい、というのがあります。
スクールでも実は練習には「透明」の素材を使っています。
青でも見えにくいのなら黒は・・・というとさらに見にくいということで、
黒を用いている作品はカットが少ない
というのが今までの作品でした。
そこで
黒といえば高級感、高級感といえばシャンパングラス
ということで、今回は黒のシャンパングラスにチャレンジです。
シャンパングラスの形はまず型紙をつくりまして型を最初につくります。
ちなみにこれは紙ベースの型紙。
形もオリジナルです。
こちらで最初に透明で制作をしてもらった形があるのですが
弊社の技術開発担当である社長がこれを目視でひとこと。
「1cmステムを長くしてもらって」
最終的にはステム(足)部分を伸ばしたものになるのですが、
比べたらぜんぜん雰囲気が違って、長くしたほうがすっきりして美しい姿になりました。
わずか1cmの違いで。やはりプロと思った次第です。
田島硝子さんの良さは
私は「足もの」(業界用語ですが、ワイングラスなどの足付きの部分があるものを指します)
にあると思っていて、
「引き足」
という製法を用いて作品を制作しています。
「引き足」というのはワイングラスのカップの部分から、ステム(足)を直接引き延ばして制作する技法で
「引き足」だと、カップとステムの部分の付け根ができないので、その部分にもカットができるので、より美しい作品を仕上げることができます。
だいたいワイングラスとした販売しているものは「付け足」といって、カップとステムを後で付ける製法が多く、
引き足のすんなりした姿は、足ものが得意な田島硝子さんならではの作品です。
シャンパングラスももちろん「引き足」で。
黒の素材はこんな感じです。
最初は真っ黒。これを割り出しして、カットしていきます。
もちろん、最初のシャンパングラスは「米つなぎ」紋様。
できあがりは2種類。
どっちの米の紋様がいいか微妙な違いを比較。
最初のシャンパングラスは3本できました。
が・・・なんと、出来上がって10分後に2本、17時の閉店間際に1本ということで、
できた当日に完売。売れしい限りです。
(さすがにびっくりしました)
最初の作品は作り手の「魂」がこもるということで、一番私も好きな作品です。
一応、試作品を1個貰いました。
シャンパングラスとして用いるとこんな感じです。
(黒の高級感が味わいです。)
被せガラスなので、口もとは厚さがでるのですが、ガラスのつるんとした感触で
とてもすっきりとした飲み口になりました。
シャンパングラスを制作している間にぐい呑みもできました。
ぐい呑みはモダンな作品。
黒は難しいといわれながらも、華硝らしい繊細なカットを精巧に施しています。
黒でも繊細優美なデザインを
というのが華硝の心意気です。
田島硝子さんとの新しい色コラボで
また新鮮な作品が生み出されました。
黒のシャンパングラスの詳細はこちら
(個数限定作品となります)
次回のコラボはそろそろ世界へ。