デザイナーいらずコラボレーション
2016年1月21日
そもそも華硝という会社の特徴を・・・というと一つには
職人直接ビジネス
ということがあります。
ものづくり + 企画
の2つが常に一緒になって江戸切子の店華硝の世界観をつくっています。
通常はものづくりはものづくりのみ。
経営部分はコンサルタントだったり外部の会社だったり。
職人が実際に考え経営をしてというビジネスモデルはありません。
もしかすると日本だけではなく世界で唯一かもしれません。
だからこそ
自分たちの問題は自分たちで向き合ってみよう
という視点になるのは当然で
華硝なりに伝統工芸のミライを考えていきたい
ということがこのプロジェクトの趣旨です。
華硝のオリジナル商品の一つ(ヒット作品でもあります)
有田焼と江戸切子のコラボらんぷ
インドのシン首相へもお送りしました逸品になります。
らんぷの中でも一番人気。
特に米つなぎの赤と赤玉瓔珞紋という有田独自のデザインがマッチして
日本的な華やかさを表現しています。
この作品は2009年頃に作成されたのですが
有田焼の若手職人である辻与製陶所の与山窯の主催者、辻諭氏が、
うちの「とりあえず、ランプのベースよろしくね」という
軽い気持ちに対して
実に真摯な態度で、素晴らしいベースをつくりあげてくれたことが始まりになります。
最初はこの
水色と白磁の優しい印象の作品だったのですが
次第に、有田の力強い赤をメインにした作品も出来上がるようになりました。
辻さんの独創性のおかげです。
今回のテーマは「デザイナーなしでもいいのではないか?」ということの提案になります。
伝統工芸というと、デザイナーコラボというのが主流なのですが
それもありではありなんですが
あえて、
職人さん同士でものづくりをするとどうなるんだろうか?
という試みをしてみたい
という気持ちが、らんぷづくりにはありました。
作り手同志の発送だからできるデザインのものがあるのではないか
と考えたのですが、やはりその方法もありだな
と作品ができたときに思いました。
そこには
負けたくない
という技のぶつかり合いがあります。
互いにものをつくる
という日々のワークへのプライドが作品の中にぶつかると
化学反応が起きます。
先にデザインしてしまうと計算されてしまうために、
予想のつかない面白さという反応を見ることができなくなります。
実はコラボの醍醐味
というのは
予想がつかない
ということが一つであり、
もう一つ大事なのは
互いに良い作品をつくりたいという根本的な思い
の融合が大事です。
ものづくりだってビジネスですが
ビジネスを越えて、自分もすごいものを見たい、つくりたい
という気持ちが作品に現れます。
つまり、
計算がないからこそ面白いコラボ作品ができる
と私たちは思っています。
辻さんとの作品づくりは本当に楽しく、それでいて売れる作品になったのでとても良いコラボになっています。
デザイナーありもいいけれどなしでもものづくりは可能です。実証できたと思うのですが。
今後の伝統工芸のミライの中に
職人同士のコラボ
という方法もありではないでしょうか
というお話です。
コラボらんぷのページはこちら
作り手対談はこちら
おまけ。
いつも気になるんですが
なぜ、デザイナーとのコラボをすると、
デザイナーの名前が先で、作り手さんが後なんですかね・・・。